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36歳、神奈川在住の妊娠12週の妊婦です(出産予定時期には、37歳!)
さてさて、突然ですが、夫くん。「出生前診断」ってどう思う?
まぁなぁ・・・。歳も歳やし、できれば受けた方がええんちゃう?
高齢になるにつれて染色体異常の確率は上がるから、心配にはなるよね。
過去の妊娠・出産時には受けなかったから、第三子だけど「出生前診断」受け方がよくわからないんだよね。
最近は、血液検査でもできるって聞いたんだけど・・・
かかりつけの産院で受けられへんの?
残念ながら専門分野なので、対応しているのは一部の病院だけのようです。
本当は、普段の妊婦健診にオプションで調べられたらいいのにねぇ。
というわけで今回は、首都圏で「出生前診断」を受けたい方に向けて、私が「診断を受ける前」に調べたことをブログにまとめました。
この記事は、以下のような妊婦さんにオススメです。
- 出生前診断で事前に分かる障害について知りたい
- 出生前診断の種類について知りたい
- 出生前診断にかかる、おおよその費用が知りたい
- 出生前診断を受ける時期について知りたい
実際に検査を受けられる病院については、別記事をご参照ください。
出生前検査で分かる「染色体異常」/種類ごとの特徴
そもそも出生前検査で分かる赤ちゃんの障害とはどのようなものでしょうか?
検査対象としてよくあげられる、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについて紹介します。
21トリソミー(ダウン症候群) | 18トリソミー(パトウ症候群) | 13トリソミー(エドワーズ症候群) | |
---|---|---|---|
身体的な特徴 | 特徴的顔貌(両目の間が広く見え、少しつり目で鼻が低め)、発達障害など | 発達障害など | 発達障害など |
合併症 | 心疾患(50%)、消化管奇形(10%)など 筋肉の緊張度が低く、知的な発達に遅れ 40代以降ではアルツハイマー型認知症の発症率が高い | 心疾患(90%)、小頭症、口唇口蓋裂など | 心疾患(80%)など |
寿命 | 50~60歳 | 50%は1か月以内、90%は1年以内 | 90%は1年以内 |
染色体異常で生まれてくる赤ちゃんは、22対ある染色体のうち、13番目、18番目、21番目いずれかの染色体が、3本あるパターンが比較的多く、これを「トリソミー」といいます。
それ以外の染色体のトリソミーについては、そもそも生まれてくることができず、着床しなかったり初期流産となるそうです。
35歳でダウン症候群の子供が生まれる確率は0.2%(約1/385)。
年齢を重ねると、37歳0.5%(約1/227)、40歳で1%(約1/106)まで上がっていきます。
ダウン症以外の染色体異常の確率も合わせると、もっと確率は上がるで。
周囲のサポートで、無事に成人して社会生活を送っている方も多い、21トリソミー(ダウン症)。医学の進歩とともに、還暦を迎える人もいるほど寿命が伸びてきました。
それに比べて、18トリソミーと13トリソミーの赤ちゃんは、生まれても長生きできないことがほとんどだそうです。
どのトリソミーにしても、心臓の障害の可能性が高かったり、医療ケアは必要になる可能性が高いんやな。
【参考記事】
愛育クリニック「胎児ドック よくある質問」(出生前検査事前学習動画、出生前検査について)
発達ナビ「染色体異常症とは?原因や種類、検査や遺伝について解説【医師監修】」
厚生労働省2013「不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会」 報告書(14 女性の年齢と子どもの染色体異常の頻度)
「出生前診断」の種類と特徴、費用、実施可能な時期について
出生前診断はおおまかに「非確定検査」と「確定検査」分けられます。
「非確定検査」は文字通り、確実な診断を下すための検査ではありません。たとえ「陽性」の結果がでたとしても、そのうち何パーセントかは障害のない健康な赤ちゃんが生まれてきます。(=「偽陽性」)
一般的には、検査精度は落ちるものの流産リスクがない「非確定検査」を先に受け、陽性が出た場合に改めて「確定検査」に進む、という流れをとることになります。
非確定検査
出生前診断の中でも比較的トライしやすいのが、超音波エコーや採血による検査です。
検査による流産のリスクがなく、費用も羊水検査などに比べて数万円~と割安です。
それぞれ検査を受けられる時期や、精度が違うんやな。
NIPTは9週以降~。胎児ドック・コンバインド検査など、エコーを使う検査は11週~13週。
のんびりしてると検査可能な時期を過ぎちゃうので、注意してください。
実施可能時期 | 方法 | 検査の対象 | 精度(感度) | 補足 | 費用 | 結果報告まで | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
胎児ドック(精密胎児超音波検査) | 妊娠11週~13週 ※推奨は12週 | 超音波エコー | 脳、心臓、内臓、腹膜、臍帯、脊髄、手足の形態異常。21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー | 80%程度 (診断者の技術による) | トリソミーについては、鼻骨やNT(首のうしろのむくみ)で可能性を診断する。 「染色体異常」以外の形態異常についても分かる。 | 2.5~6万円 | 当日 |
NIPT(新型出生前診断)検査 | 妊娠9週以降 | 採血 | 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー | 99%程度 | 陽性 or 陰性で結果表示/陽性的中率(98%)陰性的中率(99.9%)ともに高い | 8~14万円(21トリソミー限定の場合は6万円程度) | 1~2週間 |
コンバインド検査 | 妊娠11週~13週 | 超音波エコー+採血 | 脳、心臓、内臓、腹膜、臍帯、脊髄、手足の形態異常。21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、※13トリソミー | 80~90%程度 | 確率で結果表示/陽性的中率は低い(14%)/陰性的中率が高い(99.8%) | 4~8万円(胎児ドック費用含む) | 2~4日 |
トリプル・クアトロ検査 | 妊娠15~18週 | 採血 | 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、神経管閉鎖不全症(二分脊椎・無脳症) | 80%程度 | 確率で結果表示/陽性的中率は低い(14%)/陰性的中率が高い(99.8%)/結果が年齢の影響を受けやすい | 1.5~2.5万円 | 7~10日 |
※妊娠中期(妊娠18~20週)、後期(妊娠28~30週頃)で受けられる胎児ドックもありますが、ここでは紹介しません。(染色体異常についての精密エコー検査は、初期(11~13週)が最も検査精度が高いとされるため。)
検査方法によっては、13、18、21トリソミー以外のことも調べられるんやな。
「染色体異常」がなくても、別の原因で、体の重要な器官が正常に形成されない場合があるそうです。
ちなみに、二分脊椎は、妊娠初期から葉酸をしっかりとるとリスクを減らせるらしいな。
お母さんのお腹の中にいるうちに障害がわかっていれば、親の心の準備もできるし、赤ちゃんが生まれた後にできる対応も変わってくるよね。
障害のある子どもを堕ろすことだけが、出生前診断の目的じゃないねんな。
もし障害がある子供を産むと決めたら「NICU(新生児集中治療室)のある病院で産もう」とか、「障害児の子育てについて実際に育てている方に話を聞く」とか前向きに準備ができるからね。
検査を受ける前に、もし「陽性」が出た時に、自分たちは赤ちゃんをどうしたいのかを決めておく必要があります。
「折角授かった命だから、どんなことがあっても産む」という決心があるなら、検査そのものが不要な場合もあるからです。
夫婦の意見は、検査前にある程度一致してないとしんどいかもな・・・
結果が分かってから揉めるのは、本当につらいと思うよ。
【参考記事】
FMF胎児クリニック「クアトロテストとNIPT、胎児ドックの違い」
愛育クリニック「胎児ドック よくある質問」(出生前検査事前学習動画、出生前検査について)
確定検査
精度99.9%で染色体異常を判別できる「確定」出生前診断は、2種類あります。
一般的には、精密エコーや血液検査などの「非確定検査」を経てから、絨毛や羊水の検査を受ける流れになります。
実施可能時期 | 方法 | リスク | 検査の対象 | 精度 | 費用 | 結果報告まで | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
絨毛検査 | 妊娠11~14週 | お腹に針を刺し、絨毛を採取 | 1/500で流産 | 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー | 99.9% | 20~23万円 | 1日~4日(QF-PCR法)、4~7日(FISH法)、2~3週間(Gバンド法) |
羊水検査 | 妊娠16週以降 | お腹に針を刺し、羊水を吸引 | 1/300で流産 | 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー | 99.9% | 10~20万円 | 1日~4日(QF-PCR法)、4~7日(FISH法)、2~3週間(Gバンド法) |
こっちはリスクがあって、費用も高いけど、より結果の精度が高いんやな。
「絨毛検査」の方が費用は高いけど、妊娠11週~14週と、早いタイミングで結果が出るね。
「羊水検査」の16週以降だと、赤ちゃんを産むかどうかについて考える時間は、より短くなります。
(※人工妊娠中絶は、母体保護法で22週未満までと定められているため。)
確定診断の費用はかなり高額ですが、「当院でNIPTを受けた場合は、羊水検査無料」などの条件を付けているクリニックもあります。
金銭面で不安な方は事前に調べておきましょう。
「胎児ドック」「NIPT検査」「コンバインド検査」それぞれのメリットとは?
それぞれの出生前診断のメリットデメリットを「◎」「〇」「△」「×」の4段階でまとめた表がこちらです。
染色体異常の検出精度 | 陽性的中率と、陰性的中率 | 検査の対象 | 費用の安さ | 結果報告まで | |
---|---|---|---|---|---|
胎児ドック(精密胎児超音波検査) | ? (診断者の技術による) | ― | 染色体異常+形態異常 | 〇(2.5~6万円程度と安い) | ◎(当日) |
NIPT(新型出生前診断)検査 | ◎(99%程度) | 陽性的中率(98%)、陰性的中率(99.9%) | 染色体異常のみ | ×(8~14万円と高い) | △(1~2週間) |
コンバインド検査 | 〇(80~90%程度) | 陽性的中率は低い(14%)/陰性的中率は高い(99.8%) | 染色体異常+形態異常 | △(胎児ドック+2万円程度) | 〇(2~4日) |
流産リスクのない非確定検査のなかでは、「NIPT」が一番精度が高くて良さそうやけど、費用は一番高いな。
でも、NIPTだと「染色体異常」以外は調べられないんだって。
なるほど。つまり?
「染色体」は大丈夫だけど、形態(=体の構造)に異常がある場合があるんだって。体の一部が欠けていたり、必要な器官が正常に育たなかったり。これはNIPTではわからないんだよ。
私は「胎児ドック」もしくは、胎児ドックの超音波エコーと血液検査を組み合わせた「コンバインド検査」が費用対効果が高いと思うんだ。
でも、「コンバインド検査」のところに、「陽性的中率は低い(14%)/陰性的中率が高い(99.8%)」って書いてるで??大丈夫なん?
「陰性的中率」はNIPTとほぼ変わらない「99.8%」だよね。
「コンバインド検査」でも「陰性」がでれば、ほぼ安心して大丈夫って意味なんだよ。
「コンバインド検査」でもし「陽性」が出たら?
陽性的中率が低いって、どういう意味?
陽性の場合は「確定診断(羊水検査など)」のステップに進むことになるよ。
陽性的中率が14%だから、100人中86人は「実は染色体異常はありませんでした」って結果になるってことだね。
それやったら、やっぱりNIPTの方がよくない?
いやぁ~、NIPT「陽性」でも、結局、確定診断は受けなおすことになるでしょ。
それだったら、精密エコーも一緒にしてもらえる「コンバインド検査」の方がいいかなって。数万円安いし。
「胎児ドック+NIPT」はどうなん?最強じゃない?
それが一番、精度は高いみたいなんだけどね・・・費用が13~17万円くらいになるんだよー。
一般健診でむくみの指摘もないし、「陰性」だと思いたいけど、念のため・・・くらいの気持ちだと、ちょっと高く感じちゃって。
なるほどなぁ。
この動画の妊婦さんは、胎児ドックの精密エコーをした後、コンバインド検査(採血)をするかどうか聞かれてるな。19:00~のところ。
精密エコーだけで8割大丈夫なら、血液検査はパスするって考え方もあるよね。
気になる検査項目や、かけられる予算はひとそれぞれ。
どの検査を選ぶか、じっくり考えて決められると良いですね。
まとめるとこんな感じです。
- 「NIPT」が染色体異常の検出精度が一番高い。しかし、形態(=体の構造)異常は確認できない。
- 「胎児ドック」の精密超音波検査では、形態(=体の構造)異常を細かく調べられるメリットがある。
- 「コンバインド検査(エコー+採血)」の陽性的中率は低いが、「陰性」ならほぼ安心(99.8%)。
- 検査費用は「NIPT」>「コンバインド検査(精密エコー+採血)」>「胎児ドック」の順に高額である。
胎児ドックの精密エコーと、妊婦健診の一般エコーの違いとは?
ちなみに胎児ドックの精密エコーって、普通の妊婦健診のエコーとは違うの?
一般的な妊婦健診のエコーは、赤ちゃんの大きさ、羊水量、胎動などを見るのが目的です。胎盤の位置、子宮口の状態などの確認できます。
時間は3分~5分くらい。2Dエコーだけの所が多いですね。
一方「胎児ドック」で行われるエコーでは、もっと細かく赤ちゃんの全身を観察します。
そのため、より高いエコー技術と見識を持つ医師や検査技師が時間をかけて行います。エコー時間は15分~60分程度。
チェック項目は、大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、胃腸、腎臓、膀胱、外性器、骨格、四肢、臍帯、胎盤、子宮や胎児付属物まで多岐にわたります。
2Dエコーがメインですが、手足の指の数まで見え、心臓の血流が見えるような精密な機械を使っています。合わせて3Dエコーでも見てくれる病院が多いです。
エコーのプロがじっくり時間をかけて観察するんやな。
15~60分て、時間にばらつきがあるのはなんでなん?
精密エコーにかける時間は、病院ごとに結構違いがあるようで、ざっと見たところ平均30分くらいでした。
赤ちゃんの位置や姿勢によっても時間は変わりますし、病院によってチェック項目が異なることも理由の一つにありそうです。
ちなみに、「胎児ドック」、「精密胎児超音波検査」、「胎児スクリーニング」など、呼び名もまちまちです。
日本全国統一で「これが胎児ドックです」っていう基準はないねんな。
検査してくれる人の熟練度が大事になりそうやな。
イギリスでは日本より胎児スクリーニングが浸透していて、The Fetal Medicine Foundation (FMF)という胎児医療の研究・教育機関があるんだよ。
このFMFが発行するライセンスは、正確に胎児評価ができることを証明する超音波の国際資格として知られています。
エコーをしてくれる人が、このFMFの認定ライセンスを持っているかどうかが、信頼できるかどうかの一つの判断ポイントになりそうだね。
【参考資料】
公益社団法人 日本産婦人科医会「4.一般超音波検査と精密超音波検査」
首都圏で「胎児ドック」や「NIPT」を受けられる病院はどこ?
東京・神奈川・千葉などの首都圏で出生前診断を受けられる病院については、別記事にまとめました。
自分が受ける前提で、ガチリサーチしました。
ていうか、実際もう「出生前診断」受けてきてんな。
ですです。私が受けた病院と検査の流れについては、また別途レポをまとめたいと思います。
というわけで、今回の記事は以上です!
ここまで読んでいただきありがとうございました。